塾長挨拶
福島の若者を育てる
福島を襲った未曾有の災害は放射線という深刻な被害をもたらし、未だその収束は見えず、未だ福島の未来を想像することはできません。福島を去る人、残る人、家族がばらばらになってしまう人、仕事を失う人、様々な人達がいます。その過酷な運命の中で、今も厳然として福島で生まれ育つ若者達がいます。
逆境が人を作ると言います。そして今の福島以上の逆境はありません。だとすれば福島からは将来有為な人材が生まれるはずです。もっと言えば生まれて、その人達が福島の未来を創ってゆかなければなりません。
福島の逆境が、福島や日本を作る未来の英雄を育たなければ、福島に生きる人の過酷な運命とのバランスが取れません。
かつて幕末北越戦争戊辰戦争の一つで敗れた長岡藩は減知され、実収にして6割を失って財政が窮乏し、藩士たちは、その日の食にも苦慮する状態でした。このため窮状を見かねた長岡藩の支藩から百俵の米が贈られることとなりました。
藩士たちは、これで生活が少しでも楽になると喜びましたが藩の大参事小林虎三郎は、贈られた米を藩士に分け与えず、売却の上で学校設立の費用とすることを決定しました。藩士たちはこの通達に驚き反発して虎三郎のもとへと押しかけ抗議するが、それに対し虎三郎は、「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と諭しました。
これが越後の米百表のいわれです。
このプロジェクトは、「福島の米百表」福島の若者を育てるプロジェクトです。
福島の若者に「本物」に出会う機会を作り、そこから福島の若者が刺激を受け、大きく育つ。
「30年後の英雄は福島から出る」ということを信じて、このプロジェクトをスタートしたいと思います。
2013年 3月
ふくしま創生塾 塾長
株式会社ピーエイ 代表取締役社長 加藤博敏
実施体制
ふくしま創生塾(元ふくしま復興塾)は、福島に縁のある経営者を中心とする発起人の呼びかけにより始まり、一般社団法人ふくしまチャレンジはじめっぺに事務局をおいています。第6期からは、「福島県起業意識向上事業」の受託のもと、運営されています。
発起人(所属50音順)
上昌広 (特定非営利活動法人 医療ガバナンス研究所理事長)
山田純 (元クアルコムジャパン株式会社 会長兼社長)
木幡仁一(さくら中央税理士法人 いわき中央事務所代表)
佐藤俊和(ジョルダン株式会社 代表取締役社長)
佐藤恵一(東和株式会社 代表取締役社長)
池田弘 (学校法人 新潟総合学園総長)
井上健 (日本電設工業株式会社 顧問)
矢内廣 (ぴあ株式会社 代表取締役社長)
丹波史紀(立命館大学准教授、元福島大学准教授)